2015年花組『Ernest in Love アーネスト・イン・ラブ』-2組の英国貴族のカップルが繰り広げる、愉快でおかしな恋模様♪

アーネスト・イン・ラブ
しらこまる

こんにちは、しらこまるです!

今回は、楽しくてかわいらしい音楽に乗せて綴られるミュージカル・コメディ!2015年花組『Ernest in Love アーネスト・イン・ラブ』をご紹介します。

19世紀末のイギリスを舞台に、貴族の恋人達が繰り広げる愉快でおかしな恋模様を描いた文句なしのハッピーエンド、宝塚初心者さんに最初の1作としてオススメしたい作品のひとつです!

※公演の詳細はこちら→宝塚歌劇団公式HP

DVD収録情報

  • タイトル:ミュージカル『Ernest in Love アーネスト・イン・ラブ』
  • 日本語脚本・歌詞、演出:木村 信司
  • 主な出演者:明日海(あすみ)りお / 花乃(かの)まりあ / 芹香 斗亜(せりか とあ)
  • 収録年月日:2015年1月15日 東京国際フォーラムホールCにて

※この作品のDVDは既に生産が終了しており、新品が市場に流通していないようです。いつか視聴できる機会が訪れた際に参考にして頂けるよう、この記事をアップします。

アーネスト・イン・ラブ

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あらすじ

舞台は19世紀末のイギリス。2組の貴族の恋人たちが繰り広げる、愉快でおかしな騒動を描いた物語。

田舎育ちの貴族ジャック・ワージング【明日海(あすみ)りおさん】は29歳の青年。

とある事情で実の両親を知らずに育ち、今は亡き養父の孫娘セシリィ・カデュー【城妃 美伶(しろき みれい)さん】の後見人として、ハートフォードシャーで暮らしている。

しかし、道徳的な品格が求められる後見人としての生活は息が詰まるため、架空の弟“アーネスト”が起こした不祥事の後始末という理由をつけて頻繁にロンドンを訪問し、ロンドンでは“アーネスト”と名乗って滞在していた。

ある日、かねてから恋い慕うフェアファックス家の令嬢グウェンドレン【花乃(かの)まりあさん】が、母親のブラックネル婦人【悠真 倫(ゆうま りん)さん】と共に、従兄のアルジャノン・モンクリーフ【芹香 斗亜(せりか とあ)さん】の屋敷へ訪問する予定であることを知る。

グウェンドレンに「今日こそプロポーズしよう」と、ジャックもロンドンにあるアルジャノンの屋敷へと出かけていくが、以前置き忘れていった金色のシガレットケースをきっかけに、本名がジャックであることと、架空の弟アーネストのことをアルジャノンに打ち明けざるを得なくなる。

ジャックの話を聞いたアルジャノンは、自分にも不治の病に冒された架空の友人“バンバリー”がいて、彼を見舞うという口実で時折田舎へ遊びに行っていると打ち明ける。

僕たちは仲間だと言って意気投合する2人・・・。そこへグウェンドレンとブラックネル婦人がやって来た。

2人きりになったところでジャックはグウェンドレンにプロポーズし、喜んで受け入れられるが、「あらゆる言葉の中で最も好きなのは、まじめ、誠実、熱烈という意味を持つ“アーネスト”というあなたの名前」と熱く語る彼女を見て、洗礼を受けて名前を変えようとハートフォードシャーへと帰っていく。

一方、ジャックから後見人をつとめるセシリィの話を聞き、セシリィに会ってみたくなったアルジャノンもまた、自身を“アーネスト”と偽ってハートフォードシャーへと向かった。

後見人ジャックの弟アーネストの存在が気になっていたセシリィは、“アーネスト”と名乗るアルジャノンを歓迎し、2人は次第に惹かれ合っていく。

そこへ、ジャックの名前を“アーネスト”であると信じるグウェンドレン、ジャックの奇妙な生い立ちが娘に相応しくないと言って結婚に反対するブラックネル夫人も、ハートフォードシャーにやって来て、“アーネスト”という名の人物は存在しないことが露呈する。

さらに、セシリィの家庭教師ミス・プリズム【芽吹 幸奈(めぶき ゆきな)さん】がジャックの生い立ちの秘密に深く関わっていることが判明し、事態は急展開を迎える…―。

見ごろ!見どころ!オススメどころ!

2組の恋人たちの微笑ましい恋模様を描いた本作は、オスカー・ワイルドの喜劇『まじめが肝心』を原作に、1960年にオフ・ブロードウエイでも上演されたミュージカルです。

しらこまる

オスカー・ワイルド『まじめが肝心』の戯曲は、新潮文庫から出版されている『サロメ・ウィンダミア卿婦人の扇(Amazon / 楽天ブックス)』に収録されています。

映像で観るのとはまた異なる趣を楽しむことができます♪

宝塚歌劇では2005年に梅田芸術劇場メインホールと日生劇場で上演され、今回ご紹介する2015年花組版は約10年ぶりの上演となりました。

観劇は叶わなかった作品ですが、軽快でいて美しい楽曲に彩られ、面白くて最後には心温まるストーリーが大好きです!

そんな本作の「見ごろ!見どころ!オススメどころ!」を、厳選してお伝えしていきます。

主人公ジャックの謎めいた生い立ち

本作の主人公ジャック・ワージング【明日海(あすみ)りおさん】は、とある事情により実の両親を知らずに育ちました。

その事情というのは、赤ん坊の頃にヴィクトリア駅の手荷物預かり所で、革製の大きなハンドバックの中から発見され、発見者のトーマス・カデュー氏の養子として育てられたという奇妙な生い立ちです。

この奇妙な生い立ちが原因で、グウェンドレンの母ブラックネル夫人【悠真 倫(ゆうま りん)さん】から結婚を猛反対され続けるなど、このエピソードが重要な意味を持ったまま物語が進んでいきます。

第2幕終盤にとうとうジャックが本当の気持ちを吐露する場面では、彼の生い立ちや、寂しさを抱えて生きてきた人生を思うと、観ていて胸に迫るものがあります。

しかし、だからこそラストのハッピーエンドに向かっていくストーリーに心が温まります。

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第2幕終盤、♪こどものように♪のナンバーで「お金も名誉も何もいらない 家族がほしい」と両手を組んで歌うジャックの表情が素晴らしい!

そこにグウェンドレンが加わって一緒に歌い始めるところも素敵です♪

2組の恋人達が愛らしい!

ジャックとグウェンドレン、アルジャノンとセシリィ・・・この2組のカップルの恋模様を中心に描かれている本作。

何度観ても楽しめるミュージカル・コメディの秘密は、とにかくこの恋人達が愛らしくて、かわいい! ということです。

ジャックとグウェンドレン

グウェンドレンに何と言ってプロポーズしようかと思案しているジャック。

ジャックのプロポーズを受けるのにふさわしい帽子がない!と悩むグウェンドレン【花乃(かの)まりあさん】。

「誰を見ても彼女に見える」「誰を見ても彼に見える」と言い合うほど相思相愛の2人が、第1幕でひたすらモジモジと仲睦まじくする様子は、観ていてとても微笑ましいです。

しらこまる

見慣れるまでは少々こちらが恥ずかしくなります(笑)

花乃まりあさん扮するグウェンドレンは、美人で言動もかわいらしい一方、普通の一般市民の理解を飛び越えた部分までも全力でコミカルに演じられていて、大変魅力的なキャラクターです。

特に、ジャックからの求愛にふさわしい帽子が無い!と言って、♪帽子♪のナンバーを歌いながら沢山の帽子を代わる代わる試着する場面が大好きです♫

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「2人きりのときは(私を)見つめて!周りに人がいたら、もっともっと見つめて!」

グウェンドレンからジャックに向けた、とんでもなく恥ずかしすぎるこのセリフも、花乃まりあさんが言うからこそ純粋にかわいい!って思っちゃいますね✨

アルジャノンとセシリィ

いたずら好きなやんちゃ坊や感を漂わせる遊び人アルジャノン【芹香 斗亜(せりか とあ)さん】。

会ったこともない“アーネスト”に憧れ、恋に恋する女の子セシリィ【城妃 美伶(しろき みれい)さん】。

最初は興味本位でセシリィに会いに来たアルジャノンでしたが、セシリィのかわいらしさに次第に心惹かれていき、「彼女こそ生涯愛することのできる女性だ!」と確信して結婚を申し込みます。

初めて会ったその日にプロポーズしてしまうほどのかわいらしさって一体なに?!って思いますよね。

アルジャノンの心をわしづかみにしたセシリィの“かわいいポイント”とは…

  • まだ見ぬアーネストについてあれこれ想像し、アルジャノンが視界に入らないくらい元気いっぱい♪悪いひと♪のナンバーを歌い踊る!(←なんとか視界に入ろうとするアルジャノンがかわいい)
  • アーネストであると信じるアルジャノンの言葉を、疑いなく信じる純粋さ!
  • 言葉の端に垣間見える心優しさ(←アーネストと偽ってやって来たアルジャノンの手を払いのけようとするジャックに「お願い、優しくしてあげて」と言うセリフなど)
  • 「アーネストから」という名目で自ら指輪を買い、手紙を書き、アーネストと婚約するストーリーを作って日記に書き残す想像力!
  • 18歳特有の無邪気さと自由奔放さ!

などなど・・・。参考になるものもあるかもしれませんが、個人的には「真似しようと思って真似できるかわいさじゃねーな!」と思いました。(笑)

そして、セシリィを演じている城妃美伶さんが、とにかくとーーーっってもかわいくて、キラキラしている!✨という一言に尽きます。

また、セシリィを優しく見つめるアルジャノン【芹香さん】の瞳が、セシリィをさらに愛らしくしている?!と思わざるを得ません・・・そこはぜひ、いつか映像でチェックしてみてください♪

しらこまる

個人的には、セシリィの家庭教師ミス・プリズム【芽吹 幸奈(めぶき ゆきな)さん】とチャジュブル牧師【夕霧(ゆうぎり)らいさん】のカップルも好きです♡

楽しくてかわいらしい楽曲の数々♪

第1幕の幕開きを飾るのは、楽団の皆さんによる演奏!

通常の公演では、演奏者の方々はオーケストラピットにいて客席から姿が見えないのですが、本作では鳥かごに見立てた装置の中で、始めから終わりまで舞台上にいらっしゃいます。

しらこまる

指揮者の塩田 明弘先生がコミカルに指揮棒を振る姿も印象的です。

そんな楽団の皆さんが奏でるメロディに乗せて歌われる、楽しくてかわいらしい楽曲の数々は、軽快でいて美しく、いつまでも心に残る音楽です。ここではいくつかピックアップしてご紹介します!

♪どうしたらプロポーズできる♪

ジャックが第1幕序盤で、どうやってグウェンドレンにプロポーズしようかと頭を悩ませつつ、ハッピーな気持ちで胸を膨らませながら「プロポーズのやり方や、愛の言葉を教えてくれる学校があれば良いのに・・・」と歌うナンバーです。

「君なしで生きられないと どうしたら告げられるのか 君のような天使に向かい どうやってそんなこと」

「君ばかりを思っていると どうしたら告げられるのか やり方さえわかれば必ず言えるはず 愛の言葉を」

しらこまる

「飾らず、そのままお伝えしたら良いのではないでしょうか」と言いたくなりました。(笑)

♪バンバリー♪

不治の病に冒された架空の友人“バンバリー”を見舞うという口実で、時折田舎へ遊びに行っているというアルジャノン。

架空の弟“アーネスト”の不祥事の後始末を口実に、ロンドンに遊びに来るジャックも、自分と同じ仲間だと言って意気投合した2人が陽気に歌うナンバーです。

「こんな堅苦しい息が詰まる時代だから 羽目をはずすときも 時にはなければ 人生やりきれなくなる」

しらこまる

コロナウィルスの感染拡大や不穏な世界情勢・・・真面目な性格の人ほど、さらに息抜きが難しい状況にある今こそ、笑顔で一緒に声を出して歌いたい楽曲です。

♪恋するなら♪

第2幕の幕開きに、アルジャノンの執事レイン【高翔 みず希(たかしょう みずき)さん】とハートフォードシャーの人々が歌う、牧歌的で親しみやすいナンバーです。

恋をするにも、身だしなみや礼儀、品性が大切であると歌うレインに対して、ハートフォードシャーの人々が、「堅苦しく、何かに縛られていては人を愛せない。恋をするなら気ままに、楽しくなければ意味が無い!」と歌います。

「心開き微笑み お互いを認め合わなきゃ 気ままなのが一番」

「相手の気持ちを探ってばかりいてはだめ あなたがいて私がいるんだと認めあわなきゃ」

しらこまる

次第にレインも説得されて、最後は全員で「楽しくなけりゃ意味がない 恋するなら」と歌うこの曲が、個人的には本作で一番好きなナンバーです♫

しらこまるのタカラヅカ小話「DVD購入当時の思い出」

私が初めて観劇した花組公演が、2016年花組『ME AND MY GIRL』でした。

観劇してしばらく経ってからAmazonで本作『Ernest in Love』のDVDを見つけて、「こないだ観に行った花組さんの作品かぁ、しかも“ミュージカル・コメディ”って書いてあるし面白そう!」と思ってポチっと購入したのが、この作品との出会いです。

そして、いたずら好きな少年っぽさを感じさせるアルジャノンを、きゅうりサンドやマフィンを食べながら楽しそうに演じる芹香 斗亜さんを観てファンになりました。

しらこまる

『ME AND MY GIRL』を観劇したときに、なぜもっとしっかり芹香さんを観なかったのか・・・💦とめちゃくちゃ後悔しつつ、セシリィ【城妃さん】を見つめる優しい瞳に心惹かれました!

また、専科の男役・悠真倫さんが、ブラックネル婦人として女役を演じられているのも新鮮でした。

どっしり構えた安定感と迫力、登場しただけで醸し出されるパワーとオーラはさすがだなあと思う一方、小さい帽子をちょこんと乗せているのがかわいらしいです。

しらこまる

悠真 倫さんを認識したのは本作からでした。ブラックネル婦人がメインで歌い上げる♪ハンドバッグは母親ではない♪も大好きな1曲です。

そして、グウェンドレン役の花乃まりあさん、セシリィ役の城妃美伶さんが本当にかわいい!✨

“恋する乙女”というところは共通していますが、グウェンドレンの方が少し年上なのよっていう感じを出しつつ、それでいてコミカルなかわいらしさも表現されているところが印象的です。

しらこまる

特に2人の初対面の場面、いきなり意気投合したかと思いきや、2人とも“アーネスト”という同一人物と婚約していると思い込んでケンカを始めるシーンは、いつ観ても、何度観てもおもしろいです。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました!この記事が、あなたにとって「次なる宝塚作品との出会い」のきっかけになれましたら嬉しいです。

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