日本初のレビュー『モン・パリ』の誕生から90周年を記念して上演され、現代的でスタイリシッシュな歌とダンスはもちろんのこと、古き良き時代のクラシックな雰囲気まで楽しめるレビュー作品です♪
また、本作はトップスターに就任した珠城(たまき)りょうさんの大劇場お披露目公演でもあり、当時の月組が新たな時代を築く第一歩となりました。
※公演の詳細はこちら→宝塚歌劇団公式HP
DVD収録情報
- タイトル:モン・パリ誕生90周年レヴューロマン『カルーセル輪舞曲(ロンド)』
- 作・演出:稲葉 太地
- 主な出演者:珠城(たまき)りょう / 愛希(まなき)れいか / 美弥(みや)るりか
- 収録年月日:2017年1月20日 宝塚大劇場にて
- 同時上演(収録):ザ・ミュージカル『グランドホテル』
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ひとこと解説
日本初のレビュー『モン・パリ(1927年)』の誕生から90周年を記念して上演された本作。
宝塚を出発してパリに到着するまでの、演出家・岸田 辰彌の旅行談を描いた『モン・パリ』に対して、パリから世界を巡って宝塚をめざすという趣向で構成されています。
「地球全体を軸にして回る回転木馬(カルーセル)に命が宿り、まるで輪舞曲(ロンド)を踊るように世界中どこまでも果てしなく駆け出して行く様をイメージ(公式HP 公演解説より)」して描かれた場面の数々・・・。
当時の新星月組による、フレッシュ&エネルギッシュなパフォーマンスと華やかな夢世界旅行に心躍るレビュー作品です♪
見ごろ!見どころ!オススメどころ!
幕が開いてまず目にするのは、回転木馬(カルーセル)をモチーフにしたかわいらしい舞台装置!
プロローグでは、純白の地に金色のアクセントがエレガントなお衣装に、白馬のたてがみを彷彿とさせる頭飾りで統一した出演たちが登場し、華やかで優美な夢世界旅行に私たちを誘います。
この項目では、パリから宝塚までの旅路を巡る数々の場面から、特にお気に入り&オススメの場面をご紹介していきたいと思います♪
S4 アメリカ ニューヨーク 初めて“カッコイイ娘役”という概念を知った!
プロローグの後、白馬の王子【珠城(たまき)りょうさん】と、水先案内人【華形(はながた)ひかるさん】が、白馬の紳士・淑女たちと♪Around the World in 80 Days♪を原曲とするナンバーを歌いながら大西洋へ船出する場面になります。
『80日間世界一周』という映画の主題曲として有名な楽曲ですね。陽気で軽やかなメロディはつい一緒に口ずさんでしまいます♪
歌が終わって場面が切り替わり、白馬の王子たちがアメリカ・ニューヨークに到着する場面(S4 アメリカ ニューヨーク)になります。
そこではブラックホースに扮した男役たち、レディマンハッタンに扮した娘役たちが、レディマンハッタンS【愛希(まなき)れいかさん】を中心に、男女の駆け引きをテーマにしたナンバーを歌い踊ります。
ダルマ衣装(肩から先と、足の付け根から先が出ている水着型のお衣装)の脚の付け根辺りから、リボンのような紐が何本も下に伸びている黒い“タコ足ドレス”を着た愛希さんが、娘役・男役の方々をひきつれ、堂々と妖艶に場面の世界観を表現される姿が特に印象的です!
それまで娘役といえば「綺麗、美しい、かわいらしい」などのイメージしかなかったのですが、この場面の愛希さんを見て、初めて娘役を「カッコイイ!」と思いました。
「カッコイイ娘役」という概念を知ってから、自分の中で観劇時の注目ポイントも増え、娘役さんのこだわりや魅力をさらに楽しめるようになりました!
S7A~B 祝祭(ブラジル) 南国風の音楽&熱く激しいサンバのリズム!
フランス・パリを出発してアメリカ、メキシコと巡り、レビューの折り返し地点である中詰めでたどり着いたのは、輝く太陽のもと陽気な音楽が鳴り響くブラジル!
カーニバルの準備で沸き立つ街の1コマを切り取った、ストーリー性のある場面から始まります。
特に、ポリス姿がお似合いの華形(はながた)ひかるさんが素敵!
南国風の小気味良い音楽と共に、ポリスが若者たちを追いかけまわすコミカルな騒動を眺めているうちにカーニバルが開幕。
それぞれカラフルなお衣装を着た出演者たちが次々に加わっていき、熱く激しいリズムで歌い踊るサンバで、盛り上がりも最高潮に達します!
レビュー作品の中詰めの場面は、最高に盛り上がって楽しくなる一方、「もう折り返し地点かあ…」とちょっぴり寂しくなることがありますが(←これ私だけかな?)、そんな寂しさを吹っ飛ばすような場面です!
カーニバルを題材にした場面は、出演者の皆さんもカッコつけるというより、「この場面を笑顔で思いっきり楽しむ!」という色が強いので、観ているこちらも寂しさを感じる暇がないのかもしれませんね。
S11 我が巴里よ(日本 タカラヅカ) ”男役の美学”と”娘役の可憐さ”が映える!
旅の終着地、タカラヅカ。
♪モン・パリ/吾が巴里よ♪に乗せて、黒燕尾服の男役さんと純白ドレスの娘役さんによる群舞で旅の終わりを告げる場面です。
大階段を使ったフォーメーションも見どころのひとつですが、男役さんたちの黒燕尾姿がとにかく素敵!
ゆったりとしてどこか懐かしい曲調にクラシックな振り付けが、ちょっとしたミスや間違いのごまかしを許さない一方、1人1人の持つ“男役の美学”をしっかりと引き立たせている点にも魅了されます。
「黒燕尾の男役×クラシックな振り付け」に、純白ドレスの娘役さんたちの可憐さも映えて、フィナーレに向かってさらに観客の心をつかんで離さない演出が印象的です。
通常、トップスターや2番手スターのお衣装には、きらびやかなビーズ飾りや刺繍が施されているものですが、この場面では全員が同じ黒燕尾服をまとっています。
それでも華やかな輝きを放つ珠城(たまき)りょうさんや美弥(みや)るりかさん、長年に渡って自身の男役道や黒燕尾の着こなしを追究してきた上級生たちが醸し出す独特のオーラというのは、やはり一線を画すものがありますね。
使用楽曲の試聴・購入について
本作で使用された楽曲は、下記の公式サイトから試聴・購入が可能です✨
Quatre Rêves ONLINE / TAKARAZUKA REVUE MUSIC
しらこまるのタカラヅカ小話「久しぶりに観て思ったこと」
この記事を作成するため、今回久しぶりにDVDを観返してみたのですが、パレードでエトワールを務められた麗 泉里(うらら せんり)さんの歌声に圧倒されました。
高音でありながら優しく包み込むような歌声・・・機械を通しても聴き惚れてしまうのですから、実際に劇場で聴いたらもっともっと素晴らしいのだろうなあ・・・と思います。
本作を劇場で観劇した当時は、ひとつの公演を何度も観に行くという習慣が無く、あまり1つ1つの場面や1人1人のタカラジェンヌさんに注目する、視線を切り替えるという”芸当”が今より身についていませんでした。
そんなわけで、正直それほど気に留めていなかったのだろうと思いますが・・・いや~、それが悔やまれます💦
昨年(2021年)の10月に月組博多座公演『川霧の橋』のライブ中継を観たとき、お芝居に味があってすごく気になった娘役さんがいらっしゃったのですが、その方が麗 泉里さんでした。
芝居心もあって、こんなに素敵な歌声も持っている娘役さんなのだと、今回DVDを観直したことで知ることができました。
次に観劇する月組公演は『グレート・ギャツビー』。しかも本拠地・宝塚大劇場に行って参ります!
劇場で麗さんの歌声を聴けることが、今から楽しみです!
最後のパレードで最初に大階段を降りて登場するエトワール。
実はめちゃくちゃ憧れがありまして、「もし次の人生でタカラジェンヌになれたら、エトワールがやりたい!!」と思うくらい大好きです✨
宝塚を観るようになる前、遡れば小学校に上がる前から、”宝塚歌劇”と聞いて思い浮かぶのは…華やかなお衣装に身を包み、大階段の中央で堂々と美しい歌声を披露するエトワールの姿でした。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました!この記事が、あなたにとって「次なる宝塚作品との出会い」のきっかけになれましたら嬉しいです。
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こんにちは、しらこまるです!
今回は、2017年月組『カルーセル輪舞曲(ロンド)』というレビュー作品をご紹介します。
前回の記事でご紹介したお芝居『グランドホテル』と二本立てで上演され、DVDにも同時収録されています。