2015年雪組『星逢一夜』- 悲しくも美しい物語に心癒される…

『星逢一夜』アイキャッチ
しらこまる

こんにちは、しらこまるです!

今回は私が、望海風斗(のぞみふうと)さんに会いたくて購入した宝塚DVD、『星逢一夜(ほしあいひとよ)』をご紹介します。

宝塚に興味を持ち始めた頃にDVDで初めて観て、「こんなに悲しい結末があるだろうか・・・」と涙しましたが、同時に「悪い後味をまったく感じない不思議な作品だなぁ」と思ったのが印象的です。

観終わった後に残った感情を私なりに表現すると、「どこか懐かしくてはかない美しさ、心癒やされる悲しみ、優しくすっきりとした感動」と言えましょうか・・・。個人的に、観て自分が感じるものをじっくり味わえる作品の一つですね。

宝塚歌劇にはハッピーエンドとは言い難い作品も多いのですが、本作は、悲劇やしんみりした話が苦手な方にも一度は手に取ってみてほしいと思う作品です。

※公演の詳細はこちら→宝塚歌劇団公式HP

DVD収録情報

  • タイトル:ミュージカル・ノスタルジー『星逢一夜』
  • 作・演出:上田 久美子
  • 出演者:早霧(さぎり)せいな / 咲妃(さきひ)みゆ / 望海 風斗(のぞみ ふうと)
  • 収録年月日:2015年7月31日 宝塚大劇場にて
  • 同時上演(収録):バイレ・ロマンティコ『La Esmeralda ラ エスメラルダ』

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あらすじ

舞台は江戸時代中期、徳川吉宗の治世。九州・三日月藩藩主の次男坊・天野紀之介(あまの きのすけ【後に晴興(はるおき)】)は、度々城を抜け出して星探しに夢中になる無邪気で奔放な少年だった。

ある夏の星逢(七夕)の夜、紀之介は蛍村の農民の娘・泉(せん)や、その幼馴染み・源太(げんた)と出会う。

数年前に起きた百姓一揆によって父親を亡くした泉は、紀之介が敵である藩主の息子ということで最初は反目するが、次第に打ち解けて友情を育み、星探しを通じて心を通わせ合っていく。

ところが、泉や源太との出会いから3年後、紀之介の兄が急死してしまう。紀之介は三日月藩藩主の跡継ぎとして晴興(はるおき)と名を改め、泉や源太をはじめ蛍村の子ども達との別れを惜しみつつも江戸へ旅立つ。

江戸に到着した晴興は、将軍・徳川吉宗(とくがわ よしむね)に才覚を認められ、成長するにつれてその政治手腕を発揮していく。

順調に出世し躍進する晴興だったが、吉宗と共に進める「享保の改革」は民の暮らしを圧迫し、やがて各地で百姓一揆が頻発するようになる。

三日月藩でも人々の生活は困窮し、源太を中心に一揆の計画が進められていた。

自らの手で反乱を抑えるように命じられ、三日月藩へ向かう晴興だったが、そこには泉や源太との破局と悲しい運命が待ち受けていた。

見ごろ!見どころ!オススメどころ!

子供から大人になるまでの年月を駆け抜ける出演者たち

本作では主要人物である晴興、泉、源太のほか、蛍村の子どもたちの役を、同じ出演者が子供時代から大人になるまでを演じています。

通常は主要人物の子ども時代を娘役が演じることが多いので、そういった点でも珍しい作品だなぁと思います。

開演後の約40分間、全力で無邪気な子どもを演じていた出演者の方々が、晴興が江戸へ旅立って7年後の星逢祭りの場面でそれぞれ大人役に転じるところにご注目!

しらこまる

その役の人柄・人格はそのままに、内面から出てくる感情や表情、言動や所作など、子どもから大人へと演じ分けるのって本当に難しいことだと思います。

毎日、「演じる役の人物が、初めてその人生を生きる」ように演じ、日々演技をブラッシュアップさせていくタカラジェンヌさんたちを心から尊敬します!

※本作のような、宝塚大劇場と東京宝塚劇場でそれぞれ約1ヶ月間ずつ上演される“本公演”は、その期間中に週6日間の公演があり、1日に2回上演する日もあります。

晴興(幼名:紀之介)、泉、源太の悲しい三角関係

晴興が江戸へ旅立って7年後の星逢祭りの日。晴興は吉宗の姪・貴姫(たかひめ)との縁談が決まっていて、泉と源太も結婚することが決まっているという状況の中、3人が再会します。

泉に心を寄せつつも彼女の幸せを願い、貴姫との縁談を断って泉を妻にしてほしいと晴興に頼み込む源太。

晴興に強く惹かれながらも、晴興のことを忘れて源太を幸せにすると言う泉。

そんな2人を見て立ち去る晴興。・・・もう、切ない!!

しらこまる

子供時代に出会い、星探しを通じて友情を育んできた3人が、抗うことのできない運命に翻弄され、やがて敵対していく様子は観ていて胸が締めつけられます・・・。

全てが終わった・・・晴興と泉、心揺さぶられる最後のひととき

源太を中心とした三日月藩の人々による一揆が起こり、そして全てが終わった後、晴興と泉が再会します。

源太と父の敵となった晴興に刀を向けるも、彼を殺すことのできない泉。

そんな泉を力強く抱きしめ、生涯でただ一つの願いを口にする晴興。

そこに泉と源太の子ども達がやって来て・・・。

そこから泉が子供時代を回想するラストシーンまで、涙をふくティッシュペーパーを手放せません!

しらこまる

思い通りに生きることのできない葛藤や苦悩、それでも愛する人を大切に思い、目の前に開かれた人生を必死に生きていく・・・。

そんな登場人物達の心に触れられるところが、この作品に感じる美しさなのではないかと思います。

使用楽曲の試聴・購入について

記事の中でご紹介させて頂いた楽曲を含め、本作で使用された楽曲は、下記の公式サイトから試聴・購入が可能です✨

 Quatre Rêves ONLINE / TAKARAZUKA REVUE MUSIC

しらこまるのタカラヅカ小話「DVD購入当時の思い出」

まだ宝塚に興味を持ち始めて間もない頃、TOKYO MXの『宝塚カフェブレイク』という番組の存在を知りました。

東京宝塚劇場公演に出演しているタカラジェンヌさんが週替わりでゲスト出演し、司会でフリーアナウンサーの中井美穂さんと対談する番組です。

初めて観た宝塚カフェブレイクに出演していたのが、当時雪組の2番手スターだった望海風斗さんでした。ちょうど本作『星逢一夜』の東京公演中だったので、源太の役作りなどについても語っていました。

番組に出演している普段化粧の望海さんもきれいな方なのですが、時々映し出される舞台映像の中の望海さんがすごくカッコ良くて、「この人の舞台を観に行きたい!」と思いました。

後日、別の公演の観劇のために東京宝塚劇場へ行った際、キャトルレーヴ(宝塚歌劇オフィシャルショップ)で本作のDVDが販売されていることに気づいて即購入!

望海風斗さんに会いたくてDVDを購入し、視聴した本作『星逢一夜』。源太役の望海さんはもちろん、主人公・晴興役の早霧せいなさん泉役の咲妃みゆさんの迫真の演技にも心打たれ、作品自体の美しさや素晴らしさに惹きこまれました。

しらこまる

徳川吉宗役の英真(えま)なおきさん貴姫役の大湖(だいご)せしるさん、晴興の養育係・鈴虫膳右衛門役の香綾(かりょう)しずるさんといった名脇役の方々の存在が舞台を引き締め、作品をより良いものにしていることを実感した作品でもあります。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました!この記事が、あなたにとって「次なる宝塚作品との出会い」のきっかけになれましたら嬉しいです。

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